人情


きのう、お正月用のお花をいろいろ買いに出かけた。
松、南天、百合、梅の枝。
他にも必要なものを買ってたくさんの荷物を抱えて駐車場へ。
車に乗ろうとした時
「ちょっといいですか、余計なことかもしれないけど」と言って
私から見たらずいぶん小さな70代くらいの女性に声をかけられた。
どうやら、駐車場へ向かうエスカレーターの下で
私が梅の枝を落としたらしい。
その方が気づいて見上げたら、私はもう
エスカレーターでずっと上に行ってしまっていた。
3階までのエスカレーターを、その方はわざわざ上って
私を追いかけてくれて、梅を落としたことを教えてくれた。
もうそれだけで私は感激して何度もお礼を言って店内へ。

すると今度はこれまた70代くらいの男性の警備員さんが
その梅の枝を拾って拾得物として、もう一人の警備員さんに手渡そうとしていた。
「すみません!それ私が落としました。」と声をかけると
にこにこしながら二人で「ああ、そう。良かった良かった!」と言って手渡してくれた。

たいしたことではないかもしれないけど
ご自分の用事があるわけでもないのに、わざわざ私を追って
エスカレーターで3階まで来て、なおかつ私の車のところまで
梅の枝を落としたことを伝えに来てくださったおばあちゃん。
本当に私が落としたかどうかもわからないのに
良かったと喜んでくれた警備員のおじいちゃん。
なんだか、子供の頃の自分のおじいちゃんとおばあちゃんとの記憶が
一気に甦って心がポカポカになった。
ささいなことだけど、そういう親切や優しさって
人としての原点のような気がして。
人は人に助けられ、人に支えられて生きているんだってことを
改めて実感した。
本当にありがとうございました。
年の終わりにとっても嬉しい出来事だった。
あの方たちに良い年が訪れますように。